ソーシャル・コミュニティ・ナーシングSCN機能の研究

SCN研究委員会

2014年9月に「SCN研究委員会」を組成しました。この研究委員会で(a)地域包括ケア病棟、在宅療養支援診療所、訪問看護ステーションなどさまざまな実践事例を分析し、SCN機能の抽出を実施する、(b)医師、看護師、リハビリテーション技師、ケアマネジャー、介護福祉士などが担い行う業務を、医療と介護という視点ではなく、地域ケアという連続性の中で捉えることが可能かどうかを評価する、(c)上記(a)(b)を元に、「SCN機能開発プログラム」(SCN機能を、地域の状況や特性に応じて設定し、担当者を育成する仕組み)を開発していく、などの研究に着手しました。

2018年度

今年度はコミュニティそのものに着目し、コミュニティに属する住民の視点で、ソーシャルコミュニティナーシング機能が、地域住民へ与える影響について検討しました。具体的には、広島県F市をフィールドとして、SCN機能を発揮している看護職(以下SCNs)の行う地域活動に焦点を当て、以下2点について検討しました。1)SCNsがSCN機能を発揮するために必要な、地域の基盤を整えるプロセスはどのようなものか、2)SCNsによる地域活動が地域住民へ与える影響とは何か。この結果、1) SCNsと住民の相互的な取り組みによりSCN機能を発揮する基盤ができること、2) SCNsによる活動は地域住民にとって有用であることが示唆されました。

2017年度

平成29年度は「SCNの活動内容/効果の明確化と類型化」を目的とし、全国のソーシャル・コミュニティ・ナーシング機能を有する看護職の活動実態の把握(地域において、既存の枠組みにとらわれない先駆的な活動を行っている看護職(看護師・保健師)を対象としたシャドウイング及びヒアリングの実施)と、効果の明確化・類型化(対象者の活動内容、活動展開の場、コンピテンシー、財源、地域における位置づけや体制(自治体及び関係機関との関係)を整理し、SCN機能の定義を試みると共に、活動内容・技法に基づきSCN機能の類型化を行い、地域のケアニーズとSCNの類型との関連を探索的に検討)に取り組みました。これにより、対象者は多様な立場で存在し、地域に健在/潜在するニーズを引き出し、これまでの枠組みを超える方法で、課題の解決に取り組んでいることが明らかになりました。また、その活動の効果として、地域住民の安心感が増す等、定性的分析によりまとめられました。これらの結果は、平成29年度調査結果として報告書にまとめました。

2016年度

今年度は、これまでの議論を土台として、実際にSCN機能を検証する段階に移行することを検討しました。具体的には、近郊の地方自治体をフィールドして、実際にSCN機能を検証する段階に移行することを検討(地方自治体との共同研究)しましたが、諸条件が合わず断念しました。これを受け、5月に、改めて、全国で様々な形で地域のニーズ解決のために活動している看護職を対象とした調査を中心とした「研究計画」を策定しました。具体的には、地域において、既存の枠組みにとらわれない先駆的な活動を行っている看護職(看護師・保健師)を対象としたシャドウイング及びヒアリングを行います。その中から、対象者の活動内容、活動展開の場、コンピテンシー、財源、地域における位置づけや体制(自治体及び関係機関との関係)を整理し、SCN機能の定義を試みると共に、活動内容・技法に基づきSCN機能の類型化を行い、地域のケアニーズとSCNの類型との関連を探索的に検討するという内容です。

2014年度~2015年度

4回の議論により、1)「SCNの対象者」とは①医療依存度が高い、②中重度のケアニーズがある住民(障害者(児)、がん末期など)であること、2)「SCNの必要条件」とはケアラーとしてのナースでなく、アセッサーとしてのナース(対象者や地域をアセスメントできる)である、という仮説を立てました。今後は、上記の仮説を基にSCNがどうあるべきかは地域ごとの基盤により違うと考え、まず地域ごとの基盤の違いを調査し、SCNの質の差を分析し、ナーシングに特化した形で、研究を進めていきます。